想定上限なし!? AUD/NZDの新設定を考えてみた

eyecatch トラリピ

ショック相場に強くレンジを形成しやすいといわれるAUD/NZD。
トラリピなどの自動売買FXとは非常に相性がよいといわれています。
実際、私たちもAUD/NZDを戦略の中心に据えていた時期がありました。

しかし2022年9月。
両国の金利差で動くといわれていたAUD/NZDはその法則を外れ、ダイヤモンド戦略の上限といわれていた1.15に迫る勢いで上昇したのでした。

…が、結果として、1.15に到達する手前で下落をはじめ、1.047まで一気に戻したので、ダイヤモンド戦略は大成功と呼べたのだと思います。

一方で、1.15に迫る勢いの中で、私たちはいろいろと考え、気づいてしまいました。
「そういえば、1.15を超えたらどうしよう?」
「ダイヤモンド戦略で下落したときは耐えるつもりでいたけど、上昇した時の出口を考えてなかったわ…!!

くーこ
くーこ

そこで考えたのが、これからご紹介する戦略です!

またろー
またろー

少々長文になりますが、お付き合いいただけますと幸いです

設定の全体像

まずは設定の概要をご紹介しましょう。
簡単な図にするとこんな感じで、上から順に、買いラダー売り買いになっており、色が濃い部分ほど注文量が多いことを示しています。
黄色枠で囲んだ「買いラダー」はマネースクエアさんのスリーミリオンクラブ会員であれば聞いたことのある方もいらっしゃるかと思いますが、初めての方には少々ややこしいので後段で詳しくご説明しますね。


下の買いと売りはレンジ外側の方の注文を増やしているため、ダイヤモンド戦略よりも平均価格をレンジの下限または上限に近づけることで、若干耐久力を上げています。
また、外側にはトラップ(利幅を大きく設定し、注文成立後はある程度の値動きがあるまでじっと待つ設定)となる注文を大きく仕掛けることで利益を狙いに行きます。

過去のチャートを見ると、1.04を下回ったり1.13を上回ることは稀ではありますが、「稀であること」を逆手に取ればトラップから大きな旨味を得ることができます。
逆に、トラップゾーンに近づく気配がない時にはそのレンジの注文は設定せず、その分の証拠金をどこか他の場所で活用することも可能です。

設定の特徴

この戦略の特徴は以下の通りです。

  • リスクを下げることに重点を置いているため、ダイヤモンド戦略のコアレンジで動き続ける限りはパフォーマンスが低い。
  • 想定上限(売りのロスカットレート)はないものの、戦略が崩れた時にはすぐに損切を行うため、「絶対に損切をしない戦略」ではない。
    ※ただし、損切額は固定で、損切分を取り戻すための救済措置はあり
  • AUD/NZDには主戦力としての期待はせず、あくまでポートフォリオの一部として適度に働いてもらう。
  • コアレンジの日々の動きの中でコツコツ稼ぐというよりも、ある程度上がった or 下がったところで大きめの決済が狙えればGood。

一言でいえば安全第一戦略なので、ダイヤモンド戦略に対してパフォーマンスで勝てるのは荒れ相場のときくらいだと思っています。
さらにいえば「1.1500以上なんてぶっちゃけ2023年内に行くことないんじゃないの。そんな場所に資金を備えておくなんて効率悪くない?」とも考えていますが、それを想定していなかったからこそ、2022年9月~10月に不安に駆られて中途半端な損切をしてしまったため、最悪の可能性に対応するための策としてこの設定を組んでいます。
また、1.15以上の注文は常に入れっぱなしにするものではなく、強い上昇トレンドが出ているときにのみ発注するものとなります。

くーこ
くーこ

「今後も1.150を超えることはまずないっしょ!!」という見込みの方には、不要な戦略になっています!

設定詳細、解説

それでは設定詳細を見ていきましょう。
上から順に、一つずつ解説していきます。
なお、いずれの設定も私たちの予算そのままになっているため、参考にする際は注文金額や本数にご注意ください。
注文金額または本数を半分にすれば、必要資金も半分になります。
本数を減らすよりも注文金額を減らす方がオススメです。
ちなみに、私たちはAUD/NZD用の資金として1,200万円を見ています。

最上層:買いラダー(1.1500~上限なし)

まずは一番ややこしくて、ちょっと手間のかかる買いラダーの設定から。
発注方法の詳細は以下の通りとなりますが、ぱっと見はわかりにくいと思います。
まだわからなくて大丈夫です。
テーブルのあとで解説していきます!

✼••┈AUD/NZD買いラダー設定┈••✼【必要証拠金】621万円(NZD/JPY=90で計算)
【最大損失】270万円(固定)
【想定高値】なし
【想定資金】900万円
機能・対応事項売買レンジ注文金額本数
※これより上も、上昇に合わせて適宜設定を追加。
回転
*1.23を超えたら設定
*ストップロスを1.20に変更
*1.24を超えたらトラップ利幅に変更

1.2200 ~ 1.24001.0万50
回転
*1.22を超えたら設定
*ストップロスを1.19に変更
*1.23を超えたらトラップ利幅に変更
1.2100 ~ 1.23001.0万50
回転
*1.21を超えたら設定
*ストップロスを1.18に変更
*1.22を超えたらトラップ利幅に変更
1.2000 ~ 1.22001.0万50
回転
*1.20を超えたら設定
*ストップロスを1.17に変更
*1.21を超えたらトラップ利幅に変更
1.1900 ~ 1.21001.0万50
回転
*1.19を超えたら設定
*ストップロスを1.16に変更
*1.20を超えたらトラップ利幅に変更
1.1800 ~ 1.20001.0万50
回転
*1.18を超えたら設定
*ストップロスを1.15に変更
*1.19を超えたらトラップ利幅に変更
1.1700 ~ 1.19001.0万50
回転
*1.15をしっかり超えたら設定
*ストップロスは1.14
*1.18を超えたらトラップ利幅に変更
1.1600 ~ 1.18001.0万50
トラップ
*1.15をしっかり超えたら設定
*ストップロスは1.14
1.1500 ~ 1.17001.0万50
トラップ
*1.15をしっかり超えたら設定
*ストップロスは1.14
1.1400 ~ 1.16001.0万50

買いラダー戦略は簡単に言うと、「ラダー=ハシゴのように、下からちょっとずつ仕掛けて徐々に上っていく」設定になります(売りでラダーをやるときは逆に、「上からちょっとずつ仕掛けて降りてくる」ことになります)。

注文は値動きに合わせて少しずつ入れていくので、最初から上記の注文すべてを入れておくわけではありません。
最初は一番下の3段(トラップ:1.14~1.16、トラップ:1.15~1.17、回転:1.16~1.18)から始めます。
ラダー戦略は、常に最上段のみが回転=通常の利幅指定で注文&決済を繰り返して利益を稼ぎ、それより下の段はすべてトラップ=利幅指定を極端に広げ、時間をかけて大きな利益を狙っていきます。

そして、追加注文と合わせてストップロス設定も上げていくので、損切額は常に一定の値で限定されることもこの設定の特徴です。
また、徐々に上がったストップロスが序盤の設定レンジを追い越すと、それより下にあるトラップ設定はすべてプラスの状態で終了することとなります。

そのため、ある程度ラダーを上った段階であれば、損切で発生するマイナスよりもそれまでに貯めておいたプラスの方が大きくなります。
(ベストな終わり方は、ロスカット前にタイミングを見極めて全ポジションがプラスの状態で手動決済をすることです)

それでは発注方法を見ていきましょう。

  1. 初回設定
    最初の注文トリガーは1.15をしっかり超えたタイミング(勢いよく1.16に迫る、数日単位で1.15を割らない等)になります。
    そこでまず、一番下の3つの設定(トラップ:1.14~1.16、トラップ:1.15~1.17、回転:1.16~1.18)を発注します。
    このとき、安全装置としてすべての注文に1.14でストップロス設定を入れておきます。
    1.14まで来たら強制的に戦略終了になりますので、くれぐれも1.15をしっかり超えてから発注することが重要です。
    焦って1.14付近で設定すると、すぐにハシゴから叩き落されます(ロスカット)。
    ※なお、最下段はレンジ下限が1.14なので、ストップロスを1.14にしようとするとトラリピの発注画面で「設定できません」というアラートが出てきますが、若干ずらしてうまいこと発注しましょう。
  2. 追加設定
    初回設定後は、最上段の回転レンジを抜けるタイミングで次の段を設定していきます。
    この時は、次のレンジにしっかり入っていることを意識する必要はありません。
    「最上段がそろそろ終わりそう!」というタイミングで追加することでOKです。
    例えば、最初の追加設定は、初回設定時の最上段(1.16~1.18)が終わる1.18を超えるタイミングで、すぐに「回転:1.17~1.19」を発注します。
    この時、忘れずに以下の対応を行います。
    • 直前まで動かしていた回転段はトラップ値幅に切り替える。
    • 全てのストップロス設定を+0.01で設定修正する。(「回転:1.17~1.19」を設定するタイミングであれば、ストップロス値はすべて1.15になります)
      →これを忘れると命綱なしにハシゴに上るようなものなので、高く上るほど致命傷リスクが上がります。

これより上のレンジも、0.01上昇するごとに同様に設定していきます。
上れば上るほどストップロス値の修正回数が増えて面倒なのですが、その分含み益が増えていると思って頑張りましょう!

  1. 手仕舞い
    この戦略の終了は、ハシゴから落ちる(ストップロスに引っかかる)か、ハシゴを上ることを自らやめる(手動全決済)になります。
    一番いいのは上昇トレンドが終わった頂点で、すべての設定を手動決済すること。
    これができたら最高です。
    見極めが非常に難しいですが、その時の雰囲気やニュースなどを見ながらなんとかがんばりましょう!!(としか言えないです、すみません…)

中間層:売りレンジ(1.0800~1.1500)

続いて売りレンジです。

✼••┈AUD/NZD売り設定┈••✼【必要証拠金】518万円(NZD/JPY=90で計算)
【最大損失】-(損切はせず、買いラダーで耐える戦略)
【想定高値】1.15(これを超えたら買いラダーで耐える)
【想定資金】900万円(1.15まで上昇し、買いラダー開始前の含み損に耐える想定)
機能売買レンジ注文金額本数
トラップ1.1300 ~ 1.15001.0万50
回転
(下降トレンド時はトラップにしても○)
1.1000 ~ 1.13001.0万45
回転1.0800 ~ 1.10001.0万30

こちらは特に難しいことはなく、注文をやや上の方に寄せたトラリピの売り設定です。
レンジ下限も、ダイヤモンド戦略よりも少しだけ上げています(1.07→1.08)。

一番のポイントは、1.13~1.15に大きく注文設定を入れていること。
ここで取ったポジションは極端に大きな利幅設定をして、ぜひとも爆益を狙いましょう。
300pipsなどで設定してもよいと思いますが、個人的には絶対に引っかからないような値幅にして、がっつり下がってきたところで一気に手動決済するのが好きです。
また、この利益はラダー戦略に失敗したときの損切額の補償にもなっています。
私たちと同じ設定で発注した場合、1.085くらいまでポジションを持っていれば、ラダー戦略の損切分を超える利益が生まれることになります(※スワップは考慮していません)。

逆に、この売り設定で抱える含み損については、1.23を超えたあたりからラダー戦略の含み益の方が大きくなっていきます。

くーこ
くーこ

ぶっちゃけ、「本当にそんなに上がるんかいな」という気もしますが、そこまで上がらなくとも、ラダーは売り設定の含み損を補ってくれる存在であり、1.15を超えても売りポジションの損切をせずに堪えるという目的は達成できると考えています

最下層:買いレンジ(1.0100~1.0800)

最後に買いレンジです。
これはもう、トラリピに慣れている方には説明も不要なくらいシンプルです。

✼••┈AUD/NZD買い設定┈••✼【必要証拠金】441万円(NZD/JPY=90で計算)
【最大損失】-(損切はせず、入金で耐える戦略)
【想定安値】0.98(ここを下回ったら入金で耐える)
【想定資金】1,200万円(0.98までの含み損に耐える想定)
機能売買レンジ注文金額本数
回転1.0600 ~ 1.08001.0万30
回転
(上昇トレンド時はトラップにしても○)
1.0400 ~ 1.06001.0万45
トラップ1.0100 ~ 1.04001.0万50

こちらはダイヤモンド戦略よりも買いのレンジ上限を上げ(1.07→1.08)、その代わり、下の方の注文量を気持ち多めにしています。

トラップの下限は1.00までにしてもいいのですが、過去のチャートを見ると1.00~1.10に到達したのはほんの一瞬。
なので、それよりも狭いレンジで密度高くポジションを拾うことを優先しています。
ただ、そこまで下がってきたらチャンスだと思うので、余裕資金の中から追加でトラップを設定することは考えると思います。

以上が私たち夫婦のAUD/NZDのトラリピ設定となります。
長くなりましたが、ここまでお付き合いいただきありがとうございました!!

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